2/2 愛のチカラなんて安っぽいけれど
両親に手料理をふるまう。
実家に住んでいた時は料理なんてまったくしてこなかったから、28歳になって初めてふるまう手料理はこっぱずかしい。
ゆったりと日中は過ごし、夕飯を食べに父と合流。
2回目の来店のお店だったけれど、接客がいまいち。
系列店にも何度か足を運んでいて、料理のコスパを去ることながら、いつもお店の方の雰囲気が素晴らしい。
働く人の雰囲気で、こうも感じる印象は違うのだなあと改めて。
最近涙を流していなかったからか、帰り道はなんだかメソメソした。
言わないわがままをぶつけて、これまた自己嫌悪。
こんなめんどくさい状況でも、彼はきちんと耳を傾けてくれて。
話しているうちに、自分でも分からなかったメソメソの原因がぽろっと口からでてきた。
「ああ、そうか。わたしはこれを気にしていたんだ。」
分かっていたけど気づかないふりをしていたことだった。
優しい言葉をかけてもらっても、優しく抱きしめられても、不安が消えてなくなるわけじゃない。
それでも昨日ほっとして眠りにつけるだけの威力は抜群で、そんな一瞬一瞬に助けられながら毎日を生きていっているのだから、やっぱり愛する人の存在は偉大。