父と子と
わたしの家は、父母わたし、そして妹の4人家族。
もれなく水よりアルコールを選択するような3人と、アルコールを体が拒否するもののテンションが完全に酔っ払いな妹で構成されていて、ちいさい時から酔ってる両親を見るのは当たり前、深い話はお酒の最高のあてであることは当たり前、な教育を受けてきた。
もちろん、いまでこそ笑って話せるようなお酒の失敗や、時がいくら経とうと笑えないお酒が入った上の言動も数えきれないほど目の当たりにしているのだが、不思議なもので、大人になったわたしはやはりお酒ありきな仲の深め方しか知らないような気がする。
そんな酒飲みの両親とわたしの3人は、最近仲良く飲みに行くことも増えた。
今日も仕事おわりに待ち合わせてすでに泥酔してた母(これもよくある)と、父とわたしでお酒を交わしてきた。
大人になると、素敵なことでもあり老いを実感する瞬間でもあるのだけど、お酒が入って涙することが増える。今日ももれなくそんな日。
泥酔して早々にテーブルに突っ伏してしまった母をよそに(これもよくある)、父といろいろ深かったり浅かったりする話をしていたわたし。
昔は鬱陶しかった父の言葉にも素直に頷けるようになったわたしと、そんなわたしの言葉をきちんと受け取ってくれるようになった丸くなった父がそこにはいて、時の流れと成長とを実感した。
わたしはOLじゃないから10歳以上年の離れた男の人と話す機会は父以外にないといっても過言じゃない。
人は、すべてをちゃんと素直に受け入れるようになるのに時間がかかる。
27歳になる娘と55歳になる父がやっとこお互いをちゃんと分かり合えるようになって、やっとこいい関係性を築けるようになった。
人生まだまだだけど、わたしと父の残された時間ってそんなに長くないのかもしれないなあ、と。
単純にわたしが「娘」だけに専念できる時間。
泣けちゃう。
今度2人で父の行きつけのスナックへ飲みに行く予定。
腕を組みながら笑って歩く帰り道が待ち遠しいな。
プライド
〝中途半端なやつほどプライドが高い〟
これはわたしが昨夜学んだこと。
おいしいごはんと、おいしいお酒と、みんなの笑顔が溢れるはずだった飲みの席でのことだった。
30歳、男性、2人。
おそらく同年代のサラリーマンよりはお金をもらっているらしい2人は、少し歳下のわたしに向かって、「いいよなー、〇〇ちゃんはまだやったことないことばっかりでしょう?俺なんてもう楽しいこともすごいこともやり尽くしちゃったもん。人生の上限知っちゃったからこの先つまんないわー」と、ビール片手に笑ってた。
27歳、女性、わたし。
お給料だって標準程度、人生の上限なんて知らない。楽しいことも、わくわくすることも、どきどきすることも、美味しいものや素敵な場所に巡り会うこともこれから山ほどある。そう思っている。
もしも、本当にもしも人生に楽しいことの上限があるのなら、それをまだ見ぬ若い世代へ教えてあげたらいいのに、と思った。それが素晴らしい先輩であり、男のふところの深さを見せるのだと。
そんなわたしと相容れない彼らは、ただただ歳下のわたしに自らのポリシーなり経験という経験すべてを聞かせたかったらしい。
響かないのになあ、と思った。
聞かせようと話す言葉って響きづらい。
思わずもれでちゃったみたいな、準備していない表現で思わず吐露しちゃった、みたいな言葉が人の心に残る気がする。
かっこいい大人になりたい!本気でそう思った。
かくいうわたしも、昨夜の彼ら同様きっと中途半端だから。彼らのような歳の重ね方をしないためにもいまいちど自らに喝をいれたかった。
まだまだ人生のぺーぺーで、少しばかりの経験と僅かばかりの武器たちで、わたしも一丁前の大人になった気でいるんだと思う。
わたしがわたしらしくいるためにもほんのちょっとのプライドは持っていたいけれど、それを脱ぎ去ってだれかの言葉にきちんと耳を傾けられるような人ではありたいな。
芽吹いて揺れる、みたいなこと
今週のお題「わたしの春うた」
高校生のときの春うたはHYの「モノクロ」
入学してすぐに好きになってしまった男の子がHYを教えてくれて、放課後イヤフォンを片耳ずつはめながら聴くという青春すぎる思い出とともにある。
ただ、厳密にいうと、その男の子の彼女がHYを好きだったから彼もHYを聴いていたわけで、つまりわたしの恋はずっと片思いだった。せつない春のうた。
大学生のときの春うたはRADWIMPS
これは一曲というよりもアルバムの2〜4をひたすら通学中に聴いていた。
その後5年間付き合うことになる彼と出会った入学式の日から、新しい友だちとのわくわくや、先輩へのきらきらや、大学生特有のふわふわした感じがすべて詰まっている。
随分と大人になった現在の春うたはといえば、YUKIの「プリズム」
〝あなたは今もしかめ面で幸せでしょうか〟
〝私はこのまま信じていけるわ、愛の強さゆえ優しき獣ゆえ〟
まさにそんな気持ち。
いろんなことを抱えながらも、ある程度の踏ん切りはつけたし、それでも少しの嫌みは言いたいし、わたしはやっぱりこうなんだとも大きな声で言いたい。
それがぎゅぎゅっと詰まったうた。
桜だとか春だとかどれも歌詞には入っていないけど、桜が散ったあとの緑が顔をだすみたいな、菜の花が揺れて黄色が笑うみたいな、どれもわたしにとってはそういうイメージの歌たち。
先制パンチを決めたい夜
今週のお題「自己紹介」
自己紹介って、「はじめまして」から始まる軽いジャブのようなものですよね。
わたし、苦手です。
バイトの面接、就職活動、友だちづくり、恋人づくり、合コンに保護者会。生まれてから成人してもなお付きまとってくるから逃れられないのだけれど。
興味があれば向こうから聞いてくるだろう、なんていつもは斜に構えてるかわいくないわたしですが、ほんの少しでも興味を持ってもらえるように今日はがんばってみます。
はじめまして、みなさん。
cbonbonです。
本名は言えませんが、名前に季節が入っています。
性別でいうと女です。
アラサーに片足つっこんでいます。
彼氏はいません。
実りそうもない恋愛をしています。
いつまでたっても夢とか希望とか大好きです。
綺麗事と言われればそれまでだけど、それをなくしたら人生なんて味気ないよな、と思っています。
食でいうと焼き鳥が好きです。
最近はセブンのビビン丼ばかり食べてます。
変化を嫌う蟹座のためか、基本的に冒険はしません、恋愛においても、食においても。
でもたまに思いきりすぎる行動をして周りを驚かせます。
その顔を見るのが好きです。
色でいうと原色が好きです。
刺繍とか民族ものとか、派手なものが大好きです。
最近やりたいことはバンジーと乗馬です。
絶叫系は嫌いです。自分の意思と関係なく高いところから落とされたりとかするのは癪です。
お酒が好きです。
酔っている人を見るのも、酔って失敗してしまうダメな自分も好きです。
言葉が好きです。
表現することが好きです。
好きが得意になればいいなと思っているけれど、好きを見つけれただけ幸せだよな、とも思っています。
毎日なんだかんだで幸せです。
以上です、おわります。
やっぱりわたしは自己紹介が苦手。
読んでくれてありがとうございました。
これが、誰かにわたしが届く軽いジャブになりますように。
声に出したい好きがある
見上げるとまんまるのお月さまだった。
職場が変わって2週間。
やっと仕事や共に働く人たちとの関係や、日常のもろもろのリズムが掴めてきた。
めったに乗らなかった路線に乗るようになって、縁もゆかりもなかった駅が最寄り駅になった。
スーツを着たサラリーマンやお疲れ気味のOLさんに揉まれながら通勤していたわたしから卒業して、色合いこそ無難だけれどシルエットからセンスがだだ漏れしているような人たちや外人さんがわたしの通勤仲間になった。
すてきな並木道見たさに、少しばかり遠い駅の出口から歩いて職場へ向かうようにもなった。
これでお昼におしゃれなパスタでも食べれば完璧だけど、現実はコンビニの行列に並ぶ毎日だから、わたしもまだまだ染まりきれていないのかもしれない。
疲れきった帰り道、ふと好きという気持ちとか、下心とか、駆け引きとか、なんだかいろいろよく分からなくなった。
見上げた先にあった月みたいに、きっとわたしの好きという気持ちも、絶えず満ちたり欠けたりしているのだろう。
目線を落とすと、足元には散った桜の花びらが夜風に吹かれてくるくると踊ってた。
とても綺麗だったけど、砕け散ってもなお、可能性を信じて舞おうとしてるわたしの恋心みたいで、少しだけせつなかった。
春が終わる。
嘘からはじまる4月があるみたいに、嘘からはじまるほんとがつくれたらいいのにな。
友達という言葉の破壊力
先日、「これぞ片思い!!!」なる場面を目撃した。
女性側が想いを寄せているパターンのやつで、彼女は相手の男性の一挙一動にきらきらしたり動揺しているのがほんとうに分かりやすい人だった。
ここがザ・片思いなのだが、切ないことに男性側はどうやら恋愛対象としてはまったく見てないようで、なおかつ別に想いを寄せる人がいるらしかった。
次のデートにいつ誘おうだとか、どこに行ったら喜んでくれるだとかを爛々としながら話す彼を見つめる彼女の表情は浮かなかったし、それを見ているわたしも至極苦しかった。
ああいう時、「わたしともデート行ってよ」だとか「妬いちゃうなー」だとかを口にできる女の人はすごい。うらやましい。
そういう人はきっと友達モードから恋愛モードへシフトチェンジできるようなタイプだし、きっと願った幸せをちゃんと掴めるタイプだ。
わたしも、もちろんその彼女もそういったタイプではないようで、「映画は?〇〇みたいって言ってたよ」だとか言って振り絞るような笑顔でアドバイスをしていた。
わかる。つらいよね。わたしもそうしちゃう。
そんな彼女の気持ちにはまったく気づいていない彼は、会話の終盤で「ありがとうな!俺ほんといい友達もったわー!」ときらきらした笑顔で言っていた。
「友達」
なんて罪すぎる言葉なのだろう、と思った。
悪気があったわけじゃ決してないし、誰も悪くなんてない。
それでも時に言葉は凄まじい破壊力を持ってしまうものなのだ。
最高の友達なんて思われるより、好きをぶつけてあっさり振られてしまう方がマシなのかもしれない、そんなことを思った夜だった。
ピンクが舞う景色
今週のお題「お花見」
桜といえば、わたしが真っ先に思い浮かぶのは制服や校舎がある景色。
入園や入学の写真には桜の花が写っているのが当たり前だし、記憶の中にもやはりはらはらと桜の花びらが舞っている。
大学の入学式、スーツに身を包んで思いっきり背伸びをしたわたしの目の前を、桜の花がめいっぱい舞っていた。
道にたまった花びらをかき集めて、ぶわあっと空中にばらまいたことも、舞ってる花びらを誰が1番早く捕まえられるか競ったことも、ぜんぶぜんぶ甘酸っぱくてきらきらした思い出だ。
大人になって制服を着ることがなくなったいまは、ビール片手に桜の花を見上げることが多くなったけれど、きらきらした思い出ほしいなあ。