父の日に思うこと
今週のお題「おとうさん」
小さい頃、わたしが父親に抱いてたイメージは「怖さ」しかなかった。
いつだって無口で、豪快に笑うわけでもなければ微笑みながらわたしと妹を見守ることだってなかった。
そんな、わたしが初めて接する大人の男性だった父親は、怒っていなくたって同じ空間にいるだけで少し緊張してしまうような、そんな存在だった。
それでも、たまのたまに、休日にお布団にごろんとなる父親に足で支えられ、ぶーんと飛行機ごっこをした時の楽しさや、「すごいやん」と学校で書いた作文や絵を褒められた時の嬉しさはよく覚えている。
母親にだって、おじいちゃんやおばあちゃんにだって褒められればうんと嬉しかったけれど、父親のそれとは何かが決定的に違ったように思う。
少し大人になってから、わたしは父親とよく喧嘩するようになった。
もともと性格が似ているのだと思う。
どちらも負けず嫌いで、諭したがりで、かっこつけなのだ。
馬鹿ほど大きい声で怒鳴られたこともあれば、石になるんじゃないかと思うくらい鋭い目で睨まれたこともあるし、静かに口論したこともある。
お酒を一緒に飲むようになって、仕事についてだったり愛や結婚について話したこともある。
それは言い合いの発端にもなりえたし、お互いを尊敬し合う機会にもなったし、お互いの思わぬ面を目にするきっかけにもなった。
きっとこれからも、決して多くはないけれど中身のぎゅぎゅっと詰まった会話を交わしながら、娘として、父親として、1人の人間として、お互いに成長していくのだと思う。
大人になって分かる父親の大変さもあれば、我が子を見て思い出す、若かりし頃の夢があるのかもしれない。
そんなことを考えながら今日も互いに仕事につとめて、愛する人のために想いをめぐらせている。
素敵な人生に育ててくれてありがとう。