プライド
〝中途半端なやつほどプライドが高い〟
これはわたしが昨夜学んだこと。
おいしいごはんと、おいしいお酒と、みんなの笑顔が溢れるはずだった飲みの席でのことだった。
30歳、男性、2人。
おそらく同年代のサラリーマンよりはお金をもらっているらしい2人は、少し歳下のわたしに向かって、「いいよなー、〇〇ちゃんはまだやったことないことばっかりでしょう?俺なんてもう楽しいこともすごいこともやり尽くしちゃったもん。人生の上限知っちゃったからこの先つまんないわー」と、ビール片手に笑ってた。
27歳、女性、わたし。
お給料だって標準程度、人生の上限なんて知らない。楽しいことも、わくわくすることも、どきどきすることも、美味しいものや素敵な場所に巡り会うこともこれから山ほどある。そう思っている。
もしも、本当にもしも人生に楽しいことの上限があるのなら、それをまだ見ぬ若い世代へ教えてあげたらいいのに、と思った。それが素晴らしい先輩であり、男のふところの深さを見せるのだと。
そんなわたしと相容れない彼らは、ただただ歳下のわたしに自らのポリシーなり経験という経験すべてを聞かせたかったらしい。
響かないのになあ、と思った。
聞かせようと話す言葉って響きづらい。
思わずもれでちゃったみたいな、準備していない表現で思わず吐露しちゃった、みたいな言葉が人の心に残る気がする。
かっこいい大人になりたい!本気でそう思った。
かくいうわたしも、昨夜の彼ら同様きっと中途半端だから。彼らのような歳の重ね方をしないためにもいまいちど自らに喝をいれたかった。
まだまだ人生のぺーぺーで、少しばかりの経験と僅かばかりの武器たちで、わたしも一丁前の大人になった気でいるんだと思う。
わたしがわたしらしくいるためにもほんのちょっとのプライドは持っていたいけれど、それを脱ぎ去ってだれかの言葉にきちんと耳を傾けられるような人ではありたいな。