全米までは泣かないまでも
人生における決断のとき。
重大なものも、そうでないものも、毎日は決断の連続。
進む大学も、勤める会社も、昼食は何にしようか、一駅歩くか電車に乗るか、彼との関係は続けるべきか。
望んで決断できるものと、決断せざるを得ないもの。
しっかりと身構えているときにやってきてくれると助かるのに、大切な決断はいつだってふいにやってくるから、ベストな決断を下せているのか不安になるし、たらればに悩んでしまう。
時には自分以外の誰かの決断によって、自分の人生までも「きっとこのまままっすぐ反れずに」と思ってた事もくるっと方向転換したりするのだから不思議。
わたしの人生の最大の決断といえば、大学を中退したことだと思う。
知り合って2か月あまりの人と結婚を決めたことよりも、これが後にも先にも決断ランキングの筆頭だと思う。
「やりたいことをやるために」
いま冷静に考えれば、きっと大学に通いながらでも両立できたこと。
それでもあの時は辞めなければ成し遂げられないことだと思ったし、学歴なんて、なんてことないと思ってた。
いまでももちろん後悔はしてないし、学歴で人をはかることはないけど、そうでない人もいるってこと、身に染みて感じた。
「中退なんだね」
「なんで辞めたの」
そんな質問はことあるごとにだし、きっと私を誇りに思ってくれていたおじいちゃんとおばあちゃんを落胆させたし、お父さんとお母さんを不安にさせたし、働きはじめたことを大学時代の友達に告げると、みんな「正社員?」と聞いた。
わたしが選んだ好きなことは、正社員になるのは難しかったし、その仕事に就いてるほとんどの人がアルバイト契約だった。
しょうがないことだけど、「ううん、アルバイト契約かな」と答えることはなんだか恥ずかしいことのように感じたし、「フリーター」という言葉はいつまでたっても好きになれなかった。
正社員や派遣や契約社員、フリーランスにスラッシャーズ、働き方はたくさんあるけど、まだまだ正社員以外への目が冷たいような気も。
ずっと好きな仕事をしてきたし、やりがいと仕事を楽しむ気持ちだけは人一倍だったけど、「好きな仕事してていいよね、羨ましい」なんて言われる悔しさも人一倍知っている。
好きなことを仕事にするには、人一倍の努力と覚悟が必要なのだから。
20歳の夏、わたしはその先の人生に関わる大きな決断をしたし、その決断のもとでしか歩めない人生をいまも送っているけれど、後悔なんて微塵もない。
本や映画化まではできないにしても、それなりにドラマチックでスペクタクルな人生を送っているのだから!
そんな
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